ツイてない!!〜But,I'm lucky to have you〜
仕事の邪魔しないように、私も朝の支度をするか。

「コーヒー淹れるけど、飲む?」
「いや、もうすぐオンラインで会議なんだ。今、接続準備中。
あ、こら、僕の後ろ通ったら君のかわいい寝起き姿が映っちゃうよ」


パソコンの向こうから豪快な笑い声がした。“丹下、かわいいガールフレンドだね”なんて、からかわれてる。

…やってしまった。恥ずかしい。

だけど孝弘さんは、にこりともせず真顔でなにやら英語を口にした。
あそこまでネイティブで長文だと聞き取れない。なんていったんだろ。

途端に相手のアメリカ人は、オーーッと大げさなくらい肩をすくめ、頭を抱えている。

「ちょっとなんて言ったの、今?」
「彼女は僕のかわいいワイフだよ。うらやましいだろ?って言った」
「そんな恥ずかしいことをそんな真顔で言わないで。もう、びっくりする」
「本当のことだろ?
ついでにお前たちの仕事が立て込んだせいで、かわいいワイフと幸せな夜が過ごせなかった。
もしかしたら、昨夜頑張ればかわいいベビーが授かったかもしれないのに。責任を取ってこっちの条件を飲めって脅してみた」

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