ツイてない!!〜But,I'm lucky to have you〜
は??

孝弘さんが私に、にやりと笑ってみせる。
一瞬、私が映りこんだだけでそんなやり取りをしただなんて。もう、信じられない!

「お、効果あったみたい。マナ、僕はやっぱりツイてる。一晩中もめたのに、今ので上手くいきそうだよ」
「え、ほんと??そんな馬鹿な。コントじゃないんだから」


孝弘さんが笑顔でパソコンに向かって話し始める。全く聞き取れないけど、雰囲気からしても良い結果だったのは間違いない。


やっぱり、孝弘さんってすごい。真摯に仕事と向かい合う、仕事人間で勉強家。とにかくいつでも一生懸命。
私にはもったいないくらい、いい男だと思う。


「はい、おしまい」 

孝弘さんがパソコンの電源を落とした。

「お疲れ様。朝ご飯は?何か作る?」

「うーん。
マナが足りない、かな。こっち来て、マナ」


あんなに厳しい表情で仕事をしていたのに。仕事モードがオフになった途端に、甘えてくるなんてズルい。


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