ツイてない!!〜But,I'm lucky to have you〜
水上先生は、春の日差しのような柔らかな笑みを浮かべて、並んだ名前を見ている。

水上先生は、もう腹をくくっちゃっているんだって思ってた。琴羽さんの好きなようにさせて、自分の望みは諦めてしまっているんだと。それでも、やっぱり心のどこかで琴羽さんと名前が並ぶことを望んでいるんだ。
二人の名前が並ぶだけで、こんなに嬉しそう。
だけど。

「…は?
気色悪いこと言ってないで、さっさと仕事に就いて下さい」
「はい、はい」


琴羽さんは、そんな水上先生を冷たくバッサリと切るとその背中を押した。

でも。

水上先生が組織図から目を離して歩き出すと、琴羽さんはそっと振り返って、並ぶ二人の名前を見ていた。
その表情。目を細め、口元がわずかにほころんでいるように見えた。
付き合いが長くなってきて、琴羽さんのほぼ変わらない表情の中に、わずかに浮かぶ感情を見て取れるようになった。
これは、琴羽さん絶対喜んでる。
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