ツイてない！！〜But,I'm lucky to have you〜

「パパ、ボクもママと行くぅ」
「こら、奏、ちょっと待ちなさい」
「ふぇーん」

「一期一会でいいじゃないですか。
お役に立てて、よかった。
奏くん、ずっといい子だったね。泣かないで、大丈夫」

私は息子さんの頭を撫でた。褒められた、とわかるとニッコリ笑う。子供はやっぱり純粋で可愛い。

「四辻様、では、こちらへ」

準備ができたようで、CAさんがやってきた。

「お互い、ハワイを楽しみましょう！さ、早く涼音ちゃんを」

四辻さん家族は戸惑っていたけど、最後に深々と頭を下げてCAさんの案内で飛行機を降りて行った。

さて、私もエコノミーの席に戻らなくちゃ。座席の上に荷物を置きっぱなしだ。



エコノミー席の乗客も皆降りる準備を始めていてざわついていた。みんな、気持ちはハワイ。ウキウキ感が半端ない。わかるよ、私も早くハワイの地に足をつきたいもん。


えっと、私の席は…