ツイてない!!〜But,I'm lucky to have you〜
What a day!〜なんて日だ!

偶然は二回まで

※※※



私は、無事にホテルのチェックインを済ませた。

お部屋はちょっと奮発して、オーシャンビュー。飛行機をエコノミーにしてでも、こだわりたかった海の見える部屋だ。

ジュンさんの好意で安く手に入れることができたムームーに着替えれば、気分はすっかりバカンス。

「気持ちいいなぁ」

窓を開けて、海からの爽やかな風と、これぞハワイっていう景色を堪能する。

ーー来たんだ、ハワイに。

忙しさに追われる毎日が嘘のよう。波の音に耳を澄ませば、ここではゆったりとした時間が流れる。

窓を開けたまま、ベッドに倒れ込む。

ここに来るまででさえ色々あったけど、全てが非日常的な体験だった。

私はベッドに体を沈めたまま、サイドテーブルに目をやる。
テーブルの上に置いたカードが見えた。
名刺サイズのその小さなカードには『Nana no moe  by Junn』の文字。その下には、走り書きの11桁の数字。

カッコいい人だった。たぶん、セレブと言われるような世界に住む人。普段なら絶対に知り合うことなんてないよなぁ。
時折みせる幼さがまた良かった。完璧すぎないところが、親しみを覚えた。


「丹下孝弘さん、か」


ステキな思い出をありがとう。


私は彼の整った顔を思い出しながら、そっと瞼を閉じた。


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