ツイてない!!〜But,I'm lucky to have you〜
「あ、待ってください、先生!結婚式の打ち合わせも済みましたし、これから夕飯なんです。子供たちがいるので、ルームサービスにしたのですが、よろしかったら一緒にいかがですか?」
「え、いいえ、そんな…」
「せっかくご縁があったのだもの、もっとおしゃべりしたいわ。お食事まだなんですよね?」

四辻さんは私の手にしていた食料の入った袋をちらりと見た。そりゃ、こんなにたくさんの食べ物を見たら、これから部屋で一人飯をするって誰にでもわかるよね。

「ね?飛行機のお礼もしたかったし、遠慮なさらないで」

四辻さん、なかなか強引だ。断り切れないや。

「じゃあ、涼音ちゃんの元気な顔だけ見せてください。ご家族団らんのお邪魔はしません」
「あら、それ、弟にも言われたわ。家族団らんしてろ、食事の時まで声をかけるなって。
あの子ったら、今も部屋にこもって勉強してるのよ?せっかくハワイに来たっていうのにね。
さ、行きましょ。先生連れて帰ったらみんな大喜びするわ」

四辻さんとともにエレベーターに乗り込む。エレベーターはどんどん上に昇っていく。

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