ツイてない!!〜But,I'm lucky to have you〜
四辻さんと一緒に降りたフロアは、私が泊まるエリアとは明らかに違う。何しろ、ドアの作りからして豪奢だもの。

四辻さんがドアを開けた途端、その非現実的な空間に思わず息を飲む。
目に飛び込んできたのは広々とした空間と、恐ろしくきれいな夜景。
ベッドが見当たらないのはおそらくベッドルームとリビングルームが別々になっているのだろう。

これは。いわゆる、『スイートルーム』ってやつじゃないだろうか。

なんて広くて、豪華な部屋…

「ただいまー。ルームサービス届いてる?」
「おかえり、ママ。ご飯まだだよー。あー!先生だ!!会いたかった!涼音、元気だよ!」


部屋の奥から元気よく飛び出してきたのは涼音ちゃんだ。笑顔がキラキラしてる。

「よかった!涼音ちゃん。その笑顔がうれしいよ!
ご主人、すみません。急にお邪魔したりして…」

涼音ちゃんの後ろから顔を出したお父さんに小さく頭を下げた。

「とんでもない!いらしてくれてよかった。私も改めてお礼を申し上げたかったんです。騒がしくて落ち着かないかもしれませんが、どうぞ」

部屋の奥へと通される。
わぁ、すごいなぁ。広すぎてなんだか落ち着かない。

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