ツイてない!!〜But,I'm lucky to have you〜
お互いに、忙しい身の上。恋愛なんて、成立すると思えない。

だけど。

スィートルームのラナイ。宝石を散りばめたようにキラキラしたハワイの夜景をバックに、イケメンから告白。まるで恋愛映画か、恋愛ドラマのワンシーンみたい。


今、この瞬間に燃え尽きても、それでもいい。これまでの人生で最高に幸せなこの時間に酔って、流されてもいいんじゃない?
たぶん、こんな経験もう二度とない。日本に置いてきた日常生活では、決して起こり得ない。

だから。

「先のことなんて、今は考えない。ここに丹下さんがいてくれて、私を見てくれる。この時間がとっても幸せです。
ほら、丹下さんが教えてくれた言葉。Holo i mua(ホロ・イ・ムア)たとえ困難な状況に置かれても、いつでも前向きに行こう!ってまさにソレです」

私はそっと手を伸ばして、丹下さんのシャツの裾をつかんで、彼を見上げた。
我ながら大胆だな。アルコールの力だな。

初めてのキスは、ほのかにシャンパンの香りがした。触れるだけのバードキス。それだけで心臓は爆発しそうなくらい、ドキドキしてる。



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