Tear Flowers〜囚われた先にあるもの〜
「……あなたは、このように自分に従わない人を消してきたのですね」

フィオナがそう冷たく言うと、驚いた様子だったザクロは「ハッ!」と笑う。

「世の中でうまく生きていくために必要なもの、お前にはわからないだろう。金だ。金がなければ人は何もできないし、強くなれない。俺には金が必要だ。だから、こいつや他の劇団の連中から金を求めた。なのに、金を払わない奴がいる。俺がお前らの給料を払ってやってるんだぞ!!」

激しくザクロは怒りを見せる。空気が大声のせいでビリビリと震えた。しかし、フィオナは顔色を何一つ変えない。

「そのお金に囚われた結果、あなたはただの殺人犯になったんですよ?何の罪のない人を多くその手にかけて……」

「だから何だ?金を奪って何が悪い?俺がここでは一番偉いんだぞ!!」

ザクロがフィオナを蹴り上げようとする。フィオナは腕で足を受け止め、そのまま地面に倒した。ザクロが離したナイフを遠くへ投げ、体を押さえ込む。
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