Tear Flowers〜囚われた先にあるもの〜
心地よいテノールの声が返ってきたため、シオンがドアを開ける。広々とした応接室には革張りの立派なソファが置かれ、そのソファに座って一人の男性がくつろいでいる。
黒く艶のある長い黒髪を白いリボンで結び、金で装飾された黒いジャケットを着たその男性は、フィオナとシオンの姿を見るとゆっくりと立ち上がった。
「初めまして、私はこのブラックローズ家の現当主、ジン・ブラックローズです」
ジンにソファを勧められ、フィオナとシオンは「失礼します」と言い高価なソファに座った。初めて座る高価なソファに、フィオナはどこか居心地の悪さを感じる。
「黒いバラの花びら事件というものをご存知ですか?」
シオンが質問をすると、「知りませんね」とジンはすぐに返す。そして驚くことを口にした。
「宗教上、世間のことを知るのは禁じられているので」
「宗教?」
フィオナの知っている宗教は、世間のことを知るのが罪とはなっていない。世間のことを知らなければ苦労するのは自分だ。
「宗教と言うのは、我がブラックローズ家だけに代々伝わるものですよ。その宗教に従ってこの一族は生きているのです」
黒く艶のある長い黒髪を白いリボンで結び、金で装飾された黒いジャケットを着たその男性は、フィオナとシオンの姿を見るとゆっくりと立ち上がった。
「初めまして、私はこのブラックローズ家の現当主、ジン・ブラックローズです」
ジンにソファを勧められ、フィオナとシオンは「失礼します」と言い高価なソファに座った。初めて座る高価なソファに、フィオナはどこか居心地の悪さを感じる。
「黒いバラの花びら事件というものをご存知ですか?」
シオンが質問をすると、「知りませんね」とジンはすぐに返す。そして驚くことを口にした。
「宗教上、世間のことを知るのは禁じられているので」
「宗教?」
フィオナの知っている宗教は、世間のことを知るのが罪とはなっていない。世間のことを知らなければ苦労するのは自分だ。
「宗教と言うのは、我がブラックローズ家だけに代々伝わるものですよ。その宗教に従ってこの一族は生きているのです」