リリィ・ホワイトの愛が目覚めるまでの日記
変化と戸惑いと
×月×日
私にとっては数ヶ月前の、ついこの間の出来事。
ロナウドと馬に乗って森に散歩に出掛け、そこで落馬した。
『リリィ!』と私を呼ぶこの世の終わりのような焦った声と、その手を掴もうとする一瞬の彼の手が脳裏に浮かぶ。
あれからもう三年以上の月日が経過しているなんて、今でも想像できない。
それでも以前とはやはり違うのだと気づくのは、男爵家の庭に咲いていた薔薇の花が一輪もない事。
あんなにも彩り豊かな花々が庭を明るく照らしていたのに。 この時期なら芝の緑や薔薇の赤や黄、白といった色彩が心を潤してくれるはずなのに。
もう薔薇の花壇も、引き立てる他の花々も何も咲いていない。 あるのは芝のみ。
大好きだったシモンズ家の昼下がりのテラスで、私の戸惑いは増すばかり。
私にとっては数ヶ月前の、ついこの間の出来事。
ロナウドと馬に乗って森に散歩に出掛け、そこで落馬した。
『リリィ!』と私を呼ぶこの世の終わりのような焦った声と、その手を掴もうとする一瞬の彼の手が脳裏に浮かぶ。
あれからもう三年以上の月日が経過しているなんて、今でも想像できない。
それでも以前とはやはり違うのだと気づくのは、男爵家の庭に咲いていた薔薇の花が一輪もない事。
あんなにも彩り豊かな花々が庭を明るく照らしていたのに。 この時期なら芝の緑や薔薇の赤や黄、白といった色彩が心を潤してくれるはずなのに。
もう薔薇の花壇も、引き立てる他の花々も何も咲いていない。 あるのは芝のみ。
大好きだったシモンズ家の昼下がりのテラスで、私の戸惑いは増すばかり。