リリィ・ホワイトの愛が目覚めるまでの日記
「少し散歩して来るわ」
侍女にそう言い残し、玄関を出て邸の門へと向かった。
子供の頃から私の世話をしてくれている彼女はお母様の遠縁の末娘。
おそらくは婚約者を宛がわれる事もなく、また姉達のように夫人になる事もないだろう。 そもそも器量も愛想も悪くないのに縁談が舞い込まないのは、お飾り貴族をことごとく撥ねつけたからというのがお母様の話。
私の侍女になった経緯は、無駄になる花嫁修業よりは余程マシだからという本人の意思から。
ただ最近は、あまり侍女の役目を果たしていない。 好きな殿方でもできたのか、自身を優先する事が多くなった。
私としても彼女を縛るわけにはいかず、自身の幸せの為なら仕方ないと放置している。
だから散歩にも彼女は伴わず、私一人で歩いて出かける事がほとんどだ。
侍女にそう言い残し、玄関を出て邸の門へと向かった。
子供の頃から私の世話をしてくれている彼女はお母様の遠縁の末娘。
おそらくは婚約者を宛がわれる事もなく、また姉達のように夫人になる事もないだろう。 そもそも器量も愛想も悪くないのに縁談が舞い込まないのは、お飾り貴族をことごとく撥ねつけたからというのがお母様の話。
私の侍女になった経緯は、無駄になる花嫁修業よりは余程マシだからという本人の意思から。
ただ最近は、あまり侍女の役目を果たしていない。 好きな殿方でもできたのか、自身を優先する事が多くなった。
私としても彼女を縛るわけにはいかず、自身の幸せの為なら仕方ないと放置している。
だから散歩にも彼女は伴わず、私一人で歩いて出かける事がほとんどだ。