リリィ・ホワイトの愛が目覚めるまでの日記
 テラスには穏やかな空気が流れている。
 貴重な語らいの、大切なロナウドとの時間。

 そこへ、まるでわざと遮断するように執事が現れた。

「ロナウド様、ロージー様がお見えです」

 訪問客のロージーを居間に通していると告げると、そうかと一言だけ返した。

 ロナウドは無表情だ。
 そして執事に促されるように椅子から立ち上がり、居間へと向かおうとした。 ロージーの姉の私を置いて。

「ロージーが来たの?」

 座ったままの私が聞くとロナウドは振り返り、そうらしいと答えた。

「リリィ、ホワイト家のご両親に文を言付けてもらってはどうだい?」

 何かを思い出した素振りで私の手を取り、立ち上がらせる。

「ロージーに会うのは久しぶりだろう? 今日は姉妹でゆっくり話すと良い」
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