リリィ・ホワイトの愛が目覚めるまでの日記
最後の母娘
×月×日

 お父様との話が終わり、というより終わらせて自室に戻ろうとした。

 ところがその途中で目撃してしまった。 またしても。 ロナウドとロージー、二人の仲良さそうな光景を。
 きっと私のいない所でこうしてこっそり忍び会っていたようだ。

 私は今まで、本来なら堂々と幸せに祝福されるべきこの二人を邪魔し続けて来たらしい。
 もしもロナウドに罪があるとしたら、それは自身を戒め続けた私への懺悔の気持ちだ。

 そんなものは必要なかったのに。

 二人が互いを想い合うようになったのは至極自然な流れで、誰にも私でさえも否定できない事なのだから。
 そして私自身の気持ちも。
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