捨てられ聖女は魔王城でスローライフを送る〜戻れと言われてお断りしたら、向こうから来るらしい〜
プロローグ
「ユリア。貴様との婚約は破棄させてもらう」
ここは王宮の広間。私は、突然大衆の面前で婚約破棄を言い渡された。相手はこの国の第一王子殿下、エドワード・フォン・ノインシュタット、十五歳。私の婚約者であった男性だ。
ーーとうとうこの日が来たのね。
「謹んで承ります」
私は、すでにこの日が来ることを悟っていたから、せめて、見苦しい姿だけは見せないようにしよう、その思いだけで、静かに婚約破棄の申し出を素直に受け入れることにした。
私は、男爵家の一人娘として生まれ、十歳のころに、この国の聖女として認定された。教会に強制的に引き取られ、私の身を案じる父母の意見が、相手が国と教会に考慮されることは一切なかった。
聖女認定とともに、五歳も年下の第一王子殿下の婚約者に据えられた。
ここは王宮の広間。私は、突然大衆の面前で婚約破棄を言い渡された。相手はこの国の第一王子殿下、エドワード・フォン・ノインシュタット、十五歳。私の婚約者であった男性だ。
ーーとうとうこの日が来たのね。
「謹んで承ります」
私は、すでにこの日が来ることを悟っていたから、せめて、見苦しい姿だけは見せないようにしよう、その思いだけで、静かに婚約破棄の申し出を素直に受け入れることにした。
私は、男爵家の一人娘として生まれ、十歳のころに、この国の聖女として認定された。教会に強制的に引き取られ、私の身を案じる父母の意見が、相手が国と教会に考慮されることは一切なかった。
聖女認定とともに、五歳も年下の第一王子殿下の婚約者に据えられた。
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