捨てられ聖女は魔王城でスローライフを送る〜戻れと言われてお断りしたら、向こうから来るらしい〜
うん。父様も母様も亡くなって、既にあの国に親類縁者はいない。そして、両親と引き離されて聖女となってからは誰かに優しくされた記憶もないのだ。

だから、あの国がどうなろうと知ったことじゃない。だって、自分達で選んだんだよね?

じゃあ、話を自分のことに戻そう。これって、いわゆる異世界転生ってやつよね?

あれだよね、ライトノベルとかの異世界転生って、色々お約束があるよね。

「まさか、出ないよね~。『ステータス』」

いや、そのまさかだった。

目の前に、青く透けるホログラムのようなステータス画面が現れたのだ。

「まじか」

思わず、私はその状況に、前世の言葉で突っ込んでいた。

馬車に誰もいなくてよかった。その時初めて、侍女などつけられなかったことに感謝した。

まあ、まさかのステータス画面が出て来たのだから、ちゃんと確認しましょうか。


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