捨てられ聖女は魔王城でスローライフを送る〜戻れと言われてお断りしたら、向こうから来るらしい〜
そして、その赤い髪から、二本のヤギのツノが生えていた。
「ま、ぞく……」
彼女から、その圧倒的な力を感じ、生死を握られているという本能的な恐怖に声がかすれる。
「大丈夫よ。いきなりとって食いやしないから。殺すなら、あなたがすやすやと寝ている間にとっくに殺しているわ」
私の様子がおかしかったのか、面白そうにクスクスと笑う。
あ、それもそうね。魔力回復のためとはいえ、寝るのは不味かったかしら。でも、まさか、魔王領に来るまで目を覚まさないなんて、思わなかったのよね……。
「図々しく、寝たままで申し訳ありません。私はユリアと申します」
ベッドに横たわったままの体を慌てて起こそうとすると、それは、赤髪の女性に肩をそっと押されて制止された。
「私は、魔王陛下直属の四天王を拝命している、アスタロトよ。よろしくねん」
そう言って、彼女はぱちんとウインクをする。
「アスタロト、様……」
「ま、ぞく……」
彼女から、その圧倒的な力を感じ、生死を握られているという本能的な恐怖に声がかすれる。
「大丈夫よ。いきなりとって食いやしないから。殺すなら、あなたがすやすやと寝ている間にとっくに殺しているわ」
私の様子がおかしかったのか、面白そうにクスクスと笑う。
あ、それもそうね。魔力回復のためとはいえ、寝るのは不味かったかしら。でも、まさか、魔王領に来るまで目を覚まさないなんて、思わなかったのよね……。
「図々しく、寝たままで申し訳ありません。私はユリアと申します」
ベッドに横たわったままの体を慌てて起こそうとすると、それは、赤髪の女性に肩をそっと押されて制止された。
「私は、魔王陛下直属の四天王を拝命している、アスタロトよ。よろしくねん」
そう言って、彼女はぱちんとウインクをする。
「アスタロト、様……」