捨てられ聖女は魔王城でスローライフを送る〜戻れと言われてお断りしたら、向こうから来るらしい〜
というわけで、まずは自分の今置かれた状況を把握することにした。
そこは、ガタガタと揺れる、狭い小部屋の中。ユリアの世界の馬車の中だった。スプリングの利いていないシンプルな作りの椅子が、揺れるたびに私に振動をダイレクトに伝えてくる。まあ、つまりは、痛いということだ。
あの国の人間は、人が気を失っている間に、勝手に馬車に押し込めたらしい。
ーー殿下の話の流れだと、私が馬車に乗せられているのは、魔王領への輿入れのためよね。
馬車の中には付き添いの侍女などはいない。与えられなかったようだ。
小窓を少し開けて声をかけてみると、話しかけられた相手はギョッとしていたが、男性らしき声が状況を説明してくれた。私達一行は、私の他には護衛の騎士数名と御者、という構成らしい。そしてまだ、魔王領には到達していない。
そこは、ガタガタと揺れる、狭い小部屋の中。ユリアの世界の馬車の中だった。スプリングの利いていないシンプルな作りの椅子が、揺れるたびに私に振動をダイレクトに伝えてくる。まあ、つまりは、痛いということだ。
あの国の人間は、人が気を失っている間に、勝手に馬車に押し込めたらしい。
ーー殿下の話の流れだと、私が馬車に乗せられているのは、魔王領への輿入れのためよね。
馬車の中には付き添いの侍女などはいない。与えられなかったようだ。
小窓を少し開けて声をかけてみると、話しかけられた相手はギョッとしていたが、男性らしき声が状況を説明してくれた。私達一行は、私の他には護衛の騎士数名と御者、という構成らしい。そしてまだ、魔王領には到達していない。