お嬢の神隠し
出会い
目を覚ますと誰もいない。ちょっと寂しいけどこれは、自分が選んだことだ。
間違いだったなんて思ってもいない。
だから、全力で楽しむんだ。
新しい高校生活を。
部屋にはベッド、机、本棚、クローゼット、ドレッサーと、とてもシンプルなものだ。
窓を開けて、空気を吸う。
「スゥーはぁーー」
時計を見ると、やばい!8時半を回っていた。急いで新しい制服に着替えて髪をブラシでとかし、アイロンで毛先を巻く。
簡単なメイクをすまし、準備完了。
オートロック付きのマンションをでて、全速力で学校に向かう。家から徒歩15分、走って10分という所だ。
「はぁーはぁー」
最悪だ。学校の前まで来たが、門が閉まっている。んー、これは飛び越えるしかない。
でも門を飛び越えるとさすがに、誰かに見られるかもしれない。