お嬢の神隠し
「おはよー、詩ーバイクの後ろ乗る?」

海里が詩に問いかけた。

「えっいいの?でも秀羽と莉乃はどーするの?」

「あ、私もバイクあるよ。秀羽と乗っていくから先に行っといてー!」

詩は海里のバイクに乗りたいはず、2人の協力をしなくちゃ。


「莉乃もバイクあるんだ!じゃぁー先に行ってるねー!」

そー言って、海里と詩は仲良く学校に向かった。

で、私たちはどうしよう。勢いで私のバイクがあるからって言っちゃったけど、2人乗りとか恥ずかしいしな。


「莉乃、後ろ乗れ。俺が運転するから」

そー言ってヘルメットを被せてきた。
私も運転出来るのにって思いつつ、秀羽の運転も見て見たいから大人しく乗った。


「しっかり、捕まれよ」

私の両手を秀羽が腰に回してきた。これだと密着状態だ。


昨日の夜のことを思い出した。私が律だと間違えて近寄ったら、秀羽は私を優しく抱きしめてくれた。昨日のはなんだ?
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