お嬢の神隠し

やっぱりそこに行く奴らはだいたい不良で喧嘩もよくしている。


でも、みんな良い奴だ。


詩もよく遊びに来ている。



この事を莉乃に話すべきだと俺も思っていた。俺らの事を莉乃に話したら、莉乃も俺らに話してくれるんじゃないかと、密かに期待もしていた。








詩から″律″という名前を聞いた時は驚いた。

初めて莉乃と出会った日の夜、映画を見てる途中に莉乃が寝だした。

だいぶ無防備だ。隣に男がいるっていうのに警戒心なんて無いのか。


とりあえず莉乃のベッドまで運び、すると俺まで眠くなって一緒に寝てしまった。


寝てる途中、莉乃が″律″と言いながら俺の方に近寄ってきた。

莉乃の頭の中には律って奴でいっぱいなんだ。

その時俺は悔しいって強く思った。
なぜなら、入学初日に塀から飛び降りてきた莉乃はとても綺麗だった。

髪は綺麗なグラデーション、瞳は薄い茶色で魅力的だった。



そんな莉乃に惚れたんだ。




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