お嬢の神隠し
「えっーーと、桜木 莉乃(さくらぎ りの)
だな。入学早々遅刻か、さっさと席に座れ」

「あ、はい」

うわ、恥ずかしい。クラスのみんなに注目されてしまった。私は速やかに空いている席に座った。


その後、体育館に移動して先生の長い長い話を聞き、無事に入学式を終えた。

はぁー、初日から疲れた。友達もできていないし…

「あのー、莉乃ちゃん、かな?」

誰かに後ろから声をかけられ振り向くと、そこには美少女。身長は156くらいで、
ショートカットがとても似合っている。

「あ!うん、そうだよ!」

私は慌てて返事をした。

「私のこと覚えてる?幼稚園で一緒だった、野々山 詩(ののやま うた)だよ!」

ん?野々山 詩…

「あ!いつもツインテールしてて大きいおにぎり持ってた子?!」

思い出した。雰囲気が少し変わってて、しかも可愛すぎたからすぐには気づかなかった。

「そうそう、大きいおにぎりとか恥ずかしいなぁー」
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