お嬢の神隠し
「梨乃ちゃんって、小学校、中学生ってこの辺りだっけ?」

「あー、違うよ、幼稚園の頃に引越しして、また戻ってきたんだ」

幼稚園までは華山市に住んでたけど、小学校からは東京に引越した。

「そうなんだぁ!クラスも同じだしよろしくー!」

「うん、よろしくっ」

詩ちゃんが同じクラスで心強い、


「おーい詩、帰るよぉー」

明るい茶髪でいかにも犬って感じの男がいきなり、詩ちゃんに抱きついた。

「ちょっと、海里(かいり)!急に抱きつくなぁ!」

そーいいながらも、詩ちゃんの頬は少しピンクだった。

「海里、詩が好きなのも分かるけどもっと、周りを見ろ」

ん?この声聞いたことある。海里って人の後ろから声がし、前を見ると


「あ!あの時の!」

間違いない、黒髪、高身長、少しひょろっとして、キリッとした感じの男

「ん?あー、あん時の女か」
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