お嬢の神隠し
「え、莉乃ちゃんもしかして、秀羽(しゅうわ)と知り合いだったの?!」

「違う違う、今日学校に来た時に……」


あー、なんて言おう。普通に、塀を越えた時に見られててって話すべき?
仕方ないから話すしかないな、そう思った時



「こいつが俺の目の前から降ってきた」

は?


「目の前から降ってきた?なーに言ってんの秀羽くんはー」

海里の言う通りだ。
目の前から降ってきたって、語彙力なさすぎでしょ。

「私が遅刻して門が閉まってたの、だから塀を越えて来た時に、たまたまあの男に出くわしたってことー」

「へーそうなんだ。ん?あの塀越えてきたの?」

詩ちゃんがビックリする顔で私を見てきた。まーそんなに驚かなくてもって言いそうになったけど、確かにあの塀は高いな。
軽く5m以上はあるはず

「結構高いけど、案外登ろうとしたら
登れるよ??」
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