運命の推し
「デビューしたのは結構前だけど、売れてるよねー。メンバーの子がドラマ出演してから、もっともっと売れたよね?もちろん、音楽もカッコいいし、ダンスも上手いし」


「『シー・ファンキーズ』って、アイドル?」

美加子も質問した。

「アイドルっていうか……、うーん、アイドルみたいに思ってる人も多いけど……、ダンスボーカルグループ?」
香奈子が悩みつつ、答える。


「ダンスボーカルグループって、アイドルじゃないのね?」
美加子は納得していない。


……そういえば。

美加子が高校生の頃。

当時のアイドル歌手に夢中だったことを思い出す。

美加子の姉や妹にからかわれていたけれど、部屋にそのアイドル歌手のポスターをずっと貼っていた。



懐かしい気持ちになった。



それから、改めて「シー・ファンキーズ」の歌に集中する。


『♪星の降る夜には
きみの隣で 同じ世界を感じていたいんだ
明日が怖くないなんて ただの強がり

星の降る夜には
きみの隣で あの美しい空を見て泣きたい
明日の希望を夢見て ただ生きたい♪』


……素敵な歌詞だと思った。


ラブソングかな?

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