運命の推し
「周くんも良い人だよ。優大がお兄ちゃんなら、周くんは『シー・ファンキーズ』のお母さんみたいな存在かな」
「お母さん?」
私は自分自身の目が丸くなったことが分かった。
「うん、お母さん。周くんはメンバーのみんなを見守ってる感じ」
「へぇ〜!」
「周くんがグループの中で最年長なんだ。28歳!優大とすごく仲良しなんだよ」
……28歳。
優大は26歳だってさっき言っていたっけ。
私が26歳の時はもう結婚して、子どもを産んでいたわね。
……そうそう、ちょうど次女の美加子が一歳になる時よ。
「最近の若い人は、歳が分からないわ」
私の呟きに、日向は不思議そうな顔をした。
「優大も周くんも、若く見えるけど顔立ちはしっかりしてて……、おばあちゃんの若い頃とは違うなぁって思ったの」
「笑子ばあちゃんの若い頃も今も、きっと変わらないと思うよ」