運命の推し
日向はスマートフォンを取り出して、
「優大のSNSに、ファンとして書き込みすることだって可能だよ!おめでとうとか、伝えられるんだよ」
と言った。

「おばあちゃん、難しいことはちょっと……」

私は尻込みしてしまう。


「あっ、じゃあさ」

日向はスマートフォンをテーブルに置いた。

「笑子ばあちゃんが個人的にお祝いすればいいんじゃない?ケーキを買って、優大をお祝いするつもりで食べてもいいし!」

「日向がケーキを食べたいんじゃない?」

「……バレたか」

日向は舌を出した。



「でも、いいわね」

私は考える。

何も本人に伝わらなくてもいいのよ。

私が祝いたいだけなんだから。


個人的にお祝いする、ということがとても良い案に思えてきた。




「ケーキ、私だったらイチゴのやつがいいと思うんだけどなぁ」

日向はぽそっと呟いていた。










明日。

優大はこの世に生まれて27年になるんだわ。


夕方。

お風呂に入りながら、優大のことを考える。


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