運命の推し
湯船に浸かっていると、頭の中がスッキリしてくるから不思議。


優大のお母さん。

夏の終わりとはいえ、暑い季節の出産だったんだわ。


そして、無事に優大を産んでくれた。








優大を推すようになって。

町で優大と同じくらいの身長の人を見ると、私はうずうずするようになった。


どんなふうにこの景色を見ているんだろう。

どんな世界が広がっているんだろう。


尋ねたい気持ちが膨らむ。

それを抑えることが大変だ。



ペットの名前だって。

音楽に関係する名前なんだよって日向に教えてもらった。

とても素敵な名前だと思って、忘れないように手帳に書き留めてしまった。




色のない毎日を過ごしていたのに。

優大を推してから、私の生きる世界の色彩が美しいと思える。




優大を推すことで。


私は、私の世界が愛おしく思えてくる。












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