運命の推し
その時。
本当に、突然。
私の脳内で、ある人物が浮かんだ。
優大と重なる。
「そうよ……、そうだわ」
私はまだ痛い腰をさすりつつ、家までの道を急いで帰った。
「日向、日向!」
私は日向の部屋のドアをノックした。
「笑子ばあちゃん?」
ドアが開く。
「発見よぅ!やっと分かったのよぅ!!」
この嬉しさは、まず日向と共有したかった。
「何?どうしたの?」
日向は私を部屋に入れて、ベッドに腰かけるように勧めてくれた。
「優大の瞳。誰かに似ている気がしていたの」
興奮状態の私と違って日向は、
「え?誰かって?」
と、冷静なままだった。
「ふふふっ」
思わず笑ってしまう。
そして重大発表をするように、私は少し声を張ってこう言った。
「お父さん……、おばあちゃんの旦那さんの、勝也じいちゃんよぅ!」
日向は短く、
「は?」
と、返事した。
「やぁねー!似てるのよ!?特に瞳が似ているのよ」
私は少し慌てた。
それから、部屋からお父さんの若い頃の写真を持ってきて見せた。