運命の推し
日向の質問に、遠い記憶が蘇る。


「同級生だったの。勝也じいちゃんはもともとは関西の人でね、ここに引っ越してきたのよ」

「え!?」

日向の驚きように、私も驚いてしまった。


「何、どうしたの?」


「優大も、関西の人なんだよ」

「え!?だって、優大の話しかたは関西弁じゃないように聞こえるけれど……」

「普段は関西弁をつかわないようにしてるんだって。テレビとか、ライブとかのMCでも気をつけてるみたい」

「あら……」
 
「でもメンバー内で話す時は関西弁なんだよ。確か、DVDのどれかの特典映像では関西弁を話してる映像あるよ?」


まだ笑子ばあちゃんには観せてなかったのかも、と日向は言う。


お父さんとの共通点を発見して、私の心はパァッと晴れていく。




私にとって特別な人が、ふたりとも関西弁を話す。

胸が熱くなる。



「で!?引っ越してきた勝也じいちゃんとお付き合いしてたの?」

うっとりしていた私に、日向が話を戻す。


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