運命の推し
「香奈子、やめなさい!母さんも、朝から大声出して……!」
美加子が私と香奈子の間に入った。
「あなたはどうなの?」
私は香奈子の目をまっすぐに見つめる。
「責任とるとか、とらないとか、そういう問題じゃないって分かってるんでしょう?」
香奈子は黙る。
私は日向を見た。
香奈子に抱きついて、泣いている。
「怖かったら、無理にとは言わないわ。でも覚えておいてほしい。世の中には怖いことだけじゃないってことを」
それから、
「でも、どうしても日向に頼まれてほしいことがあるのよ」
と付け加えた。
日向は私を見る。
「私の最後の姿に、挨拶しに来てほしいの。この世から旅立つ時には、日向にも見送られたい」
「え?」
日向は訳が分からない、という顔。
私と香奈子を交互に見ている。
「おばあちゃんね」
私の声がかすれた。
「おばあちゃんね、病気でね。もう、そんなに生きられないのよ」
美加子が私と香奈子の間に入った。
「あなたはどうなの?」
私は香奈子の目をまっすぐに見つめる。
「責任とるとか、とらないとか、そういう問題じゃないって分かってるんでしょう?」
香奈子は黙る。
私は日向を見た。
香奈子に抱きついて、泣いている。
「怖かったら、無理にとは言わないわ。でも覚えておいてほしい。世の中には怖いことだけじゃないってことを」
それから、
「でも、どうしても日向に頼まれてほしいことがあるのよ」
と付け加えた。
日向は私を見る。
「私の最後の姿に、挨拶しに来てほしいの。この世から旅立つ時には、日向にも見送られたい」
「え?」
日向は訳が分からない、という顔。
私と香奈子を交互に見ている。
「おばあちゃんね」
私の声がかすれた。
「おばあちゃんね、病気でね。もう、そんなに生きられないのよ」