運命の推し
日向
「シー・ファンキーズ」のライブが終わった。
ママは興奮している。
「ちょっとー!超カッコいいじゃん!!何あれ!?反則でしょう!?」
私は笑いながら、ママの背中を軽くたたく。
「ママ、周りに迷惑だから」
「いいの!」
ママは満面の笑みを浮かべる。
「こうしてまた、日向とライブに来れたんだもん!嬉しいの!!」
私もにっこり笑う。
「あ〜ぁ、笑子ばあちゃんも来たかっただろうねー!」
ママは少し残念そうに言った。
「そうだね、でも」
私は空を見上げる。
星がたくさん。
まるで今にも降ってきそう。
「でも大丈夫だよ。私がここに、ライブに来たってことは、笑子ばあちゃんもきっと来てるよ。だって、心がそばにいるもん」
ー完ー