Chat Noir -黒猫と私- バイオハザー度Max- Deux(2nd)


―――結局、また来てしまった、黒猫の高校に。


涼子は『来客用』の入り口から堂々と中に入り、警備員のおじさんに


「2-Aの財津 倭人の身内の者ですが、担任の先生呼んできてくださいます?」


と愛想良く語りかける。


えぇ!?身内っ!っていつあんた黒猫の身内になったのよ、と私は隣で唖然。


でも警備員のおじさんは特に怪しむことなくすぐに黒猫の担任と言う若い男性教員を呼んでくれた。


年齢は溝口さんのちょっと上ぐらいかな。


「財津のお姉さんですか?」


「はい~♪いつも倭人がお世話になってますぅ」


涼子はよそ行きの声でにっこにこ。


ぇえ!!!


「倭人せっかく作ったのにお弁当忘れちゃったみたいでぇ」


涼子は口元に手を当て上目遣いで目をぱちぱち。


必殺!美女スマイル!!にやられたのか、男性教員は顔をちょっと赤くしてあっさりKO。


美人だから通用する技だな。


「そうゆうことですか。じゃぁ今から財津を呼び出しますよ」


いいの!?そんなんでいいの!!


大丈夫か、この高校。ちょっと心配になったり。


まぁ…見るからに害が無さそうな女子大生だし…、涼子は美人だし。


職員室まで案内されて、


『2-A 財津 倭人。至急職員室に来るように』と放送を掛けてくれた。


ほどなくして


「なに、倭人呼び出されてやんのー。ドジー」


「お前何やらかしたの」


と男子のからかうような笑い声が数人聞こえて


「なんもやってねぇよ」


と職員室に呼び出された倭人が不機嫌そうに顔を出した。





男性教員の隣でキマヅそうにしている私と、妙に堂々としている涼子を目に入れると





ズサッ!



倭人は一瞬後ずさりして




「なんっ…




何でっ!!!」






と、さすがの倭人も驚きが隠せないのか、目を開いて口をぱくぱく。



やっぱそうなるよね。




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