Chat Noir -黒猫と私- バイオハザー度Max- Deux(2nd)
「おー財津~、親切(で、美人)なお姉さんだな。
弁当忘れたってわざわざ届けにきてくれたぞ?
ったく。高校生になってまでもお姉さんの手を煩わすなよ」
男性教員は苦笑いで倭人を手招き。
「べ、弁当…?」
黒猫は私の手の中にある紙袋を目に入れて目をぱちぱち。
だけどすぐに、ごくりと喉を鳴らして
慌てて私の腕を掴む。
「さんきゅーです。“姉ちゃん”
出口まで送って行くよ」
黒猫は棒読みで言って顔を引きつらせながら私の腕を引き、
「先生、呼び出してくださってありがとうございますぅ♪」
と涼子は営業スマイルでしっかりお礼。
「財津、きれいな姉さんたちだな!♪今度ゆっくり紹介してくれよ!」と男性教員はぼそっと黒猫に耳打ち。
「あ、あははー…」
黒猫は苦笑いを返し、涼子は男性教員に手を振りながらも
職員室を後にした。
「どーゆうこと??
“姉ちゃん”」
目立たないところまで引っ張っていかれて、黒猫は棘々の言葉で私を白い目で見下ろしてくる。
「どうゆうことって、朝都がキミのために一生懸命作った昨夜の夕飯届けにきたんじゃない。
朝都はずーっとキミを待ってたんだよ」
涼子が咎めるように言って黒猫の鼻先を指で弾く。
「りょ、涼子!」
そんな「気にしてます!」みたいな言い方、恥ずかしいよ。
慌てて涼子の手を戻すと、
「ずっと……?」
黒猫は目を開いた。