Chat Noir -黒猫と私- バイオハザー度Max- Deux(2nd)
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うだうだ悩んでるのは性に合わない。
大体私の脳は医学以外のことに悩めるほど器用じゃないのだ。
おまけにバイオハザードウィルスに侵されてるから、判断が鈍ったけれど
最初からちゃんと聞けば良かったんじゃない。
黒猫が何と言おうと、それを信じる。
その気持ちが大事だよ。
そうと決めたらあとは早かった。
て言うか勢いがないとできない。
私は講義を終えたあと研究も放って黒猫のマンションに向かった。
ガタンゴトン…
定期的な電車の揺れの中、黒猫に会ったら何から話そう…とずっと考えてた。
何から切り出そうか考えていると、
扉の付近で見知った女子高生が立っていた。
カリンちゃん―――……
制服姿のカリンちゃん。今日は黒猫もトラネコくんも一緒じゃなく一人。
二人の騎士(?)が居ない今日も、相変わらずふわふわキラキラしてて可愛い。
同じ電車に乗り合わせた黒猫とは違う高校生の男の子たちがカリンちゃんの方をちらちら気にしている。
でもカリンちゃんはその視線に気付くことなく目的の駅に着くと、ふわふわの髪の先を揺らして駅に降り立った。
近づいたわけじゃないのに、香りなんて感じてないのに、髪の先からいい香りが漂ってきそうな…髪の先まで完璧なお姫さまだ。
なんて思ってる場合じゃないって。
私も行かなきゃ。
何となく声を掛けそびれて、私はカリンちゃんとちょっと距離を開けながら歩く。
当然だけど、目的地の方向は一緒。
だって黒猫のマンションは、カリンちゃんのお部屋だってあるわけだし。
目的の方向が一緒だから、当然のように後ろから歩いていくと
何となく人通りの少ない道に出た。