Chat Noir -黒猫と私- バイオハザー度Max- Deux(2nd)
私はその日一日飲み慣れない薬のせいでほとんど眠って、そのおかげか次の日は熱がひいたし
頭の痛みも独特の倦怠感もなくなっていた。
涼子は昨日のうちに帰ったのか、朝の分の薬と簡単な朝食…おにぎりと昨日の残りのしじみ汁をテーブルに置いていってくれたようで
食事をして薬を飲んで、二日ぶりにシャワーを浴びると幾分かすっきりした。
動けるまで回復していた私はこの日二日ぶりに大学に向かい
「朝都ー、風邪だって?めずらし~、学校休むのはじめてじゃない?
大丈夫??」
と方々で心配された。
「涼子のおかげでだいぶ回復した」
「涼子??上野くんじゃないんだー」
女の子たちはにやにや笑って茶化してきたけれど、
浩一には頼めませんよ。私は小さな吐息。
「違うよー朝都にはあの高校生の可愛い彼氏がいるし」
そう言われて、ドキリ…心臓が変な音を立てて鳴った。
「ほら、一回来たでしょ~?茶髪のあのちょっとヤンチャそうな子」
茶髪…
ああ、トラネコくんのことか。
「違うよ、あの子は私にとって弟みたいな子。何故かなつかれてる」
「じゃー、あの人?朝都の彼氏って。一回来たことあるよね」
またも別の子に聞かれて、またも心臓がよじれそうになった。
「ほらぁ、あのいかした髪型のイケメン。大人の人で~♪」
ああ、ミケネコお父様か…
てか何気にここ、“関係者以外立ち入り禁止”なのにネコたちが簡単に侵入してくるな。
「あんたの周り、イケメン率多くない!?今度紹介してよ」
病み上がりだと言うのに女の子たちのラブアタックにやられて、私は講義も早々に終え
研究室に逃げてきた。