Chat Noir -黒猫と私- バイオハザー度Max- Deux(2nd)
悩みのない人間なんていない。
いつも明るくてきさくなミケネコお父様だって言わないだけで、きっと何か抱えてる…
「ペルシャ砂糖さんとの間で何かありました?
喧嘩とか??」
「いや?カズミちゃんとは仲良しだよ」
さいですか。
ノロケかよ。
私は失恋したってばかりなのに。
スレ気味でカクテルを口にすると、
ミケネコお父様は私の肩に乗せてた頭をふいに上げ、
私の肩に回した腕でさらに私を引き寄せ、その手で優しく髪を撫で梳いた。
私の顔を引き寄せると、驚くほど間近にミケネコお父様の顔があってびっくりした。
ドキリ…
としたのは、その顔がやっぱりどこか倭人に似ていて
倭人に見つめられてる感覚になったから。
「てんちょ……」
言いかけた私の言葉をさえぎるようにお父様の顔が近づいてきて、
キスされそうな程近づいた顔は、私の顔を覆うわけではなく
私の髪にそっと口付け。
「朝都ちゃんの髪、良い香りがするね。
ライラックの香りだ―――」
耳元でくすぐるような甘い囁き声。
背中に甘い痺れが伝わってきたのは、やっぱり倭人とどこか似ていたからだろうか。
「店長………?」