Chat Noir -黒猫と私- バイオハザー度Max- Deux(2nd)
ミケネコお父様は私の髪を撫で梳くと顔を近づけてきて、私はそれを拒めなかった。
顎を持ち上げられて優しいキス。
「朝都―――……
好きだ」
―――――
――
「……だめ。絶対にだめ……」
自分の寝言で目が覚めた。
パチッ!
―――…夢…?にしちゃリアルだ。
欲求不満??
ありえないんだけど。
だって元彼のお父様だよ!!
自分どんだけ欲求不満なんだ…と起きた瞬間思わず両手で顔を覆った。
覆った指の隙間から見えた天井が私のアパートの天井より高くて…
「―――っへ?」
私は思わず半身を起こした。
ここで最初に気にすることが…
服!!
「良かった…ちゃんと着てる…」
そのことにちょっとほっ。
自分が寝ているのは大きなダブルサイズのベッドの上で、黒を基調としたスタイリッシュな家具はどれも見覚えのないものだった。
「………ここ、どこ…?」
ふわふわの羽毛布団の端を握って当たりをきょろきょろ。
部屋の明かりはついてなくて、薄暗い部屋の中不安げにベッドから降り立ち、何とか部屋の明かりのスイッチを押すと
ベッドやクローゼットとナイトテーブルだけのシンプルな広い部屋だと分かった。でもまったく見覚えがない。
部屋には私しか居らず、恐る恐る部屋を出ると、明るいリビングが目に飛び込んできた。
何てことない。
そこは―――
黒猫のおうちのリビングだった。