Chat Noir -黒猫と私- バイオハザー度Max- Deux(2nd)
き、聞いてはいけないことを聞いてしまった。
私は慌てて手を引っ込めようとするも
ミケネコお父様は私が髪を撫でていた手をそっと掴んで、涙のたまった目をうっすらと開けた。
「す、すみません…!」
再び手を引っ込めようとすると、
「紗依……」
ミケネコお父様は私を亡くなった奥さんと勘違いしているのか、私の手をぐいと力強く引き寄せ
ぎゅっと私を抱きしめる。
ギャーーー!!
「お、お父様!!私です、朝都です!」
慌てて押し戻すと、
パチッ
お父様が目を開いて、すぐ近くで長いまつげをまばたきさせながら私だと言うことを確認して
慌てて腕を離した。
「あ、朝都ちゃん!」
驚きすぎてか、それとも寝起きだからだろうか声がひっくり返ってる。
「どうして…?」
「そ、それは私が聞きたいですよ……、あの昨日…」
言い辛そうにもじもじと手を合わせると、
「ごめん!」
ミケネコお父様は突然手を合わせて頭を下げた。