Chat Noir -黒猫と私- バイオハザー度Max- Deux(2nd)
ま、まだ何も言ってませんが…??
ビクリとして思わず目を丸めると
「…昨日のことだろ?
ホントにごめん……酔ってたとは言え僕は君に……」
ミケネコお父様はわずかに寝癖のついた前髪をかきあげて、キマヅそうに私から視線を逸らす。
や、やっぱり私…
ミケネコお父様とキスしちゃった……!?
「ごほん…」
ミケネコお父様は咳払いをして
「…信じて欲しいけどはじめてなんだ…その…君みたいな若い子に…」
「いえ…あの……本気なんですか…?」
キスと、最後の言葉―――
“朝都が好きだ”
「本気…?」
ミケネコお父様は首をひねって目をきょとん。
「……本気って聞かれたら…本気なのか…冗談なのか…」
ミケネコお父様は首をかしげて額に手をやる。
本気なのか、冗談なのか…だぁ?
ブチっ
私の中で何かがキレた。
うら若き乙女(?)…失礼、半分おっさんだけど、寄りによって傷心中の小娘を
この人はその気もないのに(いえ、あったら困るんですけど)からかって笑ってたってわけ!?
「冗談にしちゃキツ過ぎます!
私にキスしておきながら、なかったことにしようって言うんですか!」
思わずミケネコお父様に勢い込むと、ミケネコお父様はびっくりしたように目を開いた。