Chat Noir -黒猫と私- バイオハザー度Max- Deux(2nd)
―――……
「想い出…かぁ。ミケネコお父様、まだ黒猫のお母さんのこと忘れてないのかな…」
講義の前に、カフェテリアで一杯¥180の薄いコーヒーを注文してセルフカウンターで受け取ると、
「だって離婚とかじゃないでしょ?死別だったら恨み言もないし、
悲しいよね」
涼子もちょっと考えるように顔を伏せて参考書を脇に抱える。
片手でアールグレイティーを受け取りながら、砂糖のパックも手に取った。
「それはそうかもしれないけど…」
でも立ち直って、今は可愛いペルシャ砂糖さんて言う婚約者だって居るわけだし。
新しい命だって―――
「あんたはその亡くなった黒猫くんのお母さんに似てるんじゃない?
だからって言うわけじゃないけど…黒猫くんもあんたをお母さんの面影に重ねてるのかも…」
そう…
なのかなぁ…
いや…いやいやいや。あんな美人のお母様、私とどこが似通ってる。
でも
「って言うことは、黒猫はマザコン??」
涼子を見ると
「男はみんなマザコンよ」
涼子はまたもにやり、と意味深に笑って砂糖をさらさらと紅茶に落とし入れる。
涼子!あんた大人ねー!!