Chat Noir -黒猫と私- バイオハザー度Max- Deux(2nd)


―――


その日の講義は2コマ目の次は5コマ目。


変な風に時間が空いて、まだ10時半だと言うのに私は涼子をランチに誘った。


涼子もこの曜日は同じ講義の取り方をしていたから。


「何これ!朝都が作ったの??」


タッパーの蓋をパカッと開けると、涼子は目をきらきら。


「はー、朝から手が込んでるわね~」


「違う、それ昨日の晩御飯」


私はかくかくしかじか昨日の出来事を涼子に話し聞かせた。


―――…


「黒猫くん大変だったんだね」


涼子は唇に手を当てながらしみじみ。


「まぁねー、その子見た感じもこうっ見るからに儚げでね!本当にふわっふわで可愛いの!


私なんかと比べ物にならないぐらい“女の子”て感じでね」


私が身振り手振りで説明すると


「あんたも見た目だけだったら女の子って感じだけどねー、喋ったらねー」


悪かったわね、喋ったらおっさんで。


「で、一人じゃ食べきれないから涼子手伝ってくれないかなーと思って。


ランチ代浮くしいいでしょ?」


半ば強引に言ってタッパーを広げていると、


涼子は閃いたようにポンと手を打った。


「せっかく作ったんだし、黒猫くんに食べてもらえばいいじゃない!♪」


「は?黒猫は今学校だよ。さすがに夜まで持たないよ。


今度は黒猫を食中毒で病院送りにしちゃうかもしれないし」


そう言って涼子をちょっと睨むと、


「バカね、朝都。成長期の男の子を吊るのは守ってあげたくなる女の子でもなく、甘えられる年上の女子でもなく


胃袋を捕まえられる女!よ」


ま、まぁ…言ってる意味は何となくわかるけど。


黒猫…まだ成長するのか…


さらに高くなったら見上げるの大変だよ。


「今からならお昼までには黒猫くんの高校行けるでしょ♪」


「行くって……黒猫の高校って…え!今から??む、無理だよ!そう簡単に入れないって」


慌てて言ったけれど、涼子には何か考えがあるのか楽しそうにウィンク。



「私に任せて☆」


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