触れないで、杏里先輩!
言うべきか。

だって亜季ちゃんはいつも杏里先輩の事をキャーキャー騒いでいる。

でも私の友達は亜季ちゃんだけだけど……


「……私がもし、杏里先輩に付き合ってって言われたら、どうする……?」

言おうか迷った私は、恐る恐るだが例え話で訊いてみる事にした。

とりあえずご指南を頂きたい。

すると目を見開いた亜季ちゃん。

そして、

「ぶわっははははっ!何言ってんの!?寝ぼけてるの!?」

大口を開けて豪快に笑いだす亜季ちゃん。

例え話でも笑っちゃうよね。
だよね、私だって信じられないもん。
信憑性ゼロだよね。
そうだよね、あれは何かの罰ゲームに違いない。
後で大笑いするために、周りに誰かこっそり隠れていて動画を隠し撮っていたに違いない。

「アハハ、冗談だよ。笑わそうと思っただけ」

私は笑って返した。
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