触れないで、杏里先輩!
「昨日北川君が居るから大丈夫って言ったじゃないですか!」

「杏里先輩、おはようございます。坂井さんは俺と居るんで大丈夫ですよ」

そこに北川君の穏やかな声が入ってきた。

「おはよう、北川君。先に学校向かってくれても良いよ?もう俺が居るから」

笑顔で北川君に返す杏里先輩。

「朝練はまだなんで大丈夫です」

「じゃあもっと遅く来れば良いんじゃない?」

「朝練前にウォーミングアップしようかなって」

「熱心だね」

「どうも」

会話は途切れはしないし、二人とも笑顔だ。

でもそんなサンドイッチされている私はハラハラ。

やっばり、不穏な空気なのは気のせいじゃないよね?

昨日の電話の杏里先輩といい、この二人、相性が悪いのかな……。
< 144 / 239 >

この作品をシェア

pagetop