触れないで、杏里先輩!
「「「……」」」
不穏な空気のまま、学校へ続く坂道を歩く。
二人が一切話さなくなった。
歩道はかなり広いので三人横に並んでも邪魔にはならない。
でも両サイドが無言。
私、何でもっと長い脚で生まれなかったんだろう。
早く学校に着きたいのに全然進まない。
この短い脚が憎い。
この坂道も憎い。
改札口を出て十分後、学校の門を通り、やっと下駄箱の手前の扉。
非常に長かった。
「北川君、朝練頑張ってね!杏里先輩、行きましょう!北川君、また後で!」
運動部の部室は下駄箱を入らずに左奥の建物だから北川君とは此処でお別れ。
この重苦しい空気からやっと解放されると思うと珍しく饒舌になる。
「美桜、北川君に何もされてないよね?」
北川君が手を振って離れていくと横の杏里先輩から声が聞こえてきて私は勢いよく振り向く。
「そんなはずないですから!大丈夫ですよ!それに私は地味子だし!」
本人がこれだけ大丈夫だと言っているのに、杏里先輩は依然細い目を私に向けている。
不穏な空気のまま、学校へ続く坂道を歩く。
二人が一切話さなくなった。
歩道はかなり広いので三人横に並んでも邪魔にはならない。
でも両サイドが無言。
私、何でもっと長い脚で生まれなかったんだろう。
早く学校に着きたいのに全然進まない。
この短い脚が憎い。
この坂道も憎い。
改札口を出て十分後、学校の門を通り、やっと下駄箱の手前の扉。
非常に長かった。
「北川君、朝練頑張ってね!杏里先輩、行きましょう!北川君、また後で!」
運動部の部室は下駄箱を入らずに左奥の建物だから北川君とは此処でお別れ。
この重苦しい空気からやっと解放されると思うと珍しく饒舌になる。
「美桜、北川君に何もされてないよね?」
北川君が手を振って離れていくと横の杏里先輩から声が聞こえてきて私は勢いよく振り向く。
「そんなはずないですから!大丈夫ですよ!それに私は地味子だし!」
本人がこれだけ大丈夫だと言っているのに、杏里先輩は依然細い目を私に向けている。