触れないで、杏里先輩!
「その時は何飲むの?」

「キャラメルフラペチーノです」

「じゃあそれの一番大きいサイズで」

普通サイズで充分じゃないですか。
奢りだからって一番大きいサイズ頼んじゃう図々しい人だったんですか。

なんて私が言える権限は無い。
杏里先輩のおかげで三千円手に入るんだから。


長い行列を並びきりレジを済ませた。
痛い出費だが仕方ない。

先輩が席を取っておいてと言ったので、隅っこの向かい合って座る二人席を確保した。
すぐに杏里先輩がホイップがどっさり乗ったドリンクを持ってきた。

「はい、美桜もどーぞ」

「え?」

机に乗せた一つのドリンクにストローが何故か二本刺さっていた。
何で?

「一緒に飲もう」

「え?」

これを?
ドリンク、一つしかないですよ?
これを一緒に飲むって……

「えええええっ!?」

意味を理解すると口からは叫び声。
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