触れないで、杏里先輩!
「美桜、今からお父さんとスーパーに買い物に行くけど一緒に来る?」
週末の休日、部屋でゴロゴロしていたらお母さんに誘われた。
男性恐怖症のせいで、私は基本一人で外には出ない。
だから誘われたら必ず行くのだ。
お父さんの運転でスーパーに向かった。
お母さんが「先にこっちに入る」と言って入ったのは、スーパーに隣接している100円ショップ。
ぶらぶらと私は店内を回るとある物を見つけた。
数日後のお昼。
今日も私は杏里先輩と屋上手前の階段で昼食をとった。
お弁当を食べ終わると手の平サイズの折り畳みの鏡を開くと髪型をチェック。
この鏡は先日行った100円ショップで買った物だ。
「最近よく鏡見てるね」
そんな私を見ながら杏里先輩がクスリと笑いながら言った。
鏡を買ってから放課になる度、鏡を覗くのがクセになった。
あれから杏里先輩は本当に毎日編み込みヘアにしてくれるから。
「杏里先輩が可愛い髪型にしてくれたから、崩れていないか心配になっちゃうんです」
必死に説明すると杏里先輩が目尻を下げた。
「良い傾向だよ」