触れないで、杏里先輩!
覚悟ってこういうこと?
でも、なんで私もいる前で告白をしたの?

心の中は嵐のようにざわついている。


「ごめん。俺はずっと初恋の女の子だけ」

疑問ばかり浮かぶ中、真っ直ぐ花純先輩を見つめる杏里先輩の言葉に私は動けなくなった。


その言い方だと、それは、初恋の女の子以外、ダメってことだよね……?


私は放心状態に陥り、動けない。


「そっか、じゃあまた月曜日ね!行こう、美桜ちゃん!」

「え、あ、え!?」

花純先輩の声が聞こえたかと思ったら、私の手を引っ張って改札口に入ったので、私は慌てて改札の機械に定期を通した。

杏里先輩の視線を背中に感じる。

でも私は気まずくて振り返ることも出来ずに花純先輩に手を引っ張られながらついていった。

階段をスピードを緩めることなくそのまま降りていく花純先輩。


「まさかこんなことになるとは思わなくて、本当にごめんなさい!」

ホームの隅まで行くと突然花純先輩が私に頭を下げて謝った。
私は焦って「頭を上げて下さい!」と頼むと、申し訳なさそうに上げてくれた。
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