触れないで、杏里先輩!
だから分かっている。

逃げて、避けてじゃ、無理だと。
限界があると。

このままじゃ、ダメなことは……。


「私は話しました!約束、守って下さい!今すぐ消えて下さい!」

私は瞳をぐらつかせながらも、顔を背けて返した。

でも今の私はまだ、向き合えない……。


「美桜と出会えたのは何かの縁だと思う。君を助けたいんだ」

何を言うの?

私は助けなんて要らないーー


「美桜を助けてあげて下さい!杏里先輩!」
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