触れないで、杏里先輩!
授業中に戻ると先生に心配された。
だって一日で二回も倒れたしね。
私だって男の人に触られただけで気絶するなんて思ってもいなかったけれど。




「美桜」


次の放課、机に教科書を仕舞い、次の授業の教科書を出していると聞こえてきた声に慌てて顔を上げる。

そこには笑顔の杏里先輩。

嘘でしょ。
速攻でまたやって来た。

「来ないと思った?」

杏里先輩は目を見開いている私の表情を読み取ったのだろう。

「……えぇ」

私は驚いたまま返事を返した。
未だに疑ってますよ。
< 43 / 239 >

この作品をシェア

pagetop